ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「ヤンセン」)は、10月3日、治療と仕事の両立を図りながら、自分らしく働くことができる社会の実現を目指す新たなプロジェクト「対話でつくろう サステナブル・ワークスタイリング」を発足します。
日本では少子高齢化の進展に伴い、労働人口が減少する中、今後は高齢の労働者も増え、病気を抱えながら働く人が増加すると推測されています。また、病気を抱える労働者の9割以上が就労継続を希望している実態からも、今後「治療と仕事の両立」は、企業が取り組むべき課題の1つと言えます。この日本が直面する社会課題に対し、ヤンセンは製薬企業として医薬品の提供を超えて、患者さんの抱える課題解決に寄与することを目指し、本プロジェクトを始動します。
プロジェクト発足に先立ち、ヤンセンはジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループの社員を対象に、「治療と仕事の両立」に関する調査を実施しました。その結果、疾患や障がいを持つ当事者の約3割は「体調や治療による仕事への影響」等について上司らの理解を得ることが難しいと感じる一方、周囲もサポートの仕方が分からない等の理由で、3人に1人が病気や障がいのある方と一緒に働くことを心配し、不安に感じていることが明らかになりました。そのような中でも、病気や障がいを持つ人の6割が上司にその事実を伝えていると回答するなど、治療と仕事を両立させる上での上司が果たす役割の重要性が伺えます。このような調査結果から、上司部下間のコミュニケーションに課題解決のヒントがあると考え、シミュレーションを用いたトレーニングを開発しました。本プロジェクトでは、上司と部下の模擬対話を通して、上司が治療と仕事の両立支援において果たす役割と対話のあり方を学びながら、治療と仕事の両立を実現する職場環境の構築を目指します。以下は、主な調査結果です。
病気または障がいがあると回答した人の6割以上は、「上司」に伝える
病気または障がいのある人のうち、62.9%(225/358人)は上司にその事実を伝えていました【図1】。そして、病気や障がいのことを上司や同僚ら職場に伝えたことで、「これまでと変わらず同僚と同じように仕事を任せてもらえた(47.7%, 114/239人)」や「通院または体調を崩したときに休みをとれるように調整してくれた(37.2%, 89/239人)」などサポートを受けられていること等が明らかになりました【図2】。
図1
図2
約3人に1人は「体調や治療が仕事に与える影響」について、上司らの理解を得るのが困難
しかし病気または障がいのある人は、治療と仕事の両立について上司らに理解してもらうことが最も難しいと感じた点(もしくは難しいと思う点)として、約3人に1人の29.1%(104/358人)が「体調や治療が仕事にどれくらい影響するか(急に体調を崩す可能性があることや、定期的な通院が必要などによる業務時間や業務量の調整)」と回答しました【図3】。
図3
約3人に1人以上が、病気または障がいのある方と一緒に働くことに心配・不安に感じ うち45.4%は「どうサポートすればいいのかわからない」
自身に病気または障がいのない人に対し、病気または障害のある人と一緒に働くことについてどのように感じるかを聞いたところ、「非常に心配・不安がある(0.7%, 7/952人)」もしくは「やや心配・不安がある(27.5%,262/952人)」と回答した人が、合わせて28.2%(269/952人)を占めました【図4】。そしてその理由として、45.4%(122/269人)が「病気や障がいある人に対して、どうサポートすればよいのかわからない」と回答しました【図5】。
図4
図5
病気や障がいのある人からの情報共有と会社からの支援の仕方についての共有が求められる
自身に病気や障がいがないと答えた人に対し、病気や障がいのある人が職場にいる場合、どのようなことがあると共に働きやすくなるかと聞いたところ、「(本人から)注意すべきこと(言ってほしくない・されると困る事等)の具体的内容の共有」が最も多く84.8%(807/952人)を占め、次に「(会社から)望ましい配慮や支援の具体的内容の共有」が75.9%(723/952人)、「(本人から)どのような時に体調が悪化するのか、具体的事例の共有」が71.3%(679/952人)を占めました【図6】。
図6
図6拡大
求められるのは、社内カルチャーの醸成、制度の周知、効果的なコミュニケーションへの取り組み
病気や障がいがある人に対し、治療と仕事の両立を図る上で、今後積極的な取り組みが必要だと思われることを尋ねたところ、「治療と仕事の両立を支援する社内のカルチャー醸成(52.5%,188/358人)」、「利用できる制度の周知(50.0%、179/358人)」、「上司や同僚などとの効果的なコミュニケーションの取り方(44.1%, 158/358人)」が上位3点として挙げられました【図7】。
図7
ヤンセンの代表取締役社長である關口修平は、次のように述べています。「私たち製薬企業のミッションは、患者さんに革新的な医薬品をご提供することです。しかし、患者さんが日常生活の中で直面されるさまざまな課題においても、医薬品の提供を超えて解決に寄与したいと考えています。『サステナブル・ワークスタイリング』の取り組みが、働き続けたいと願う多くの患者さんにとって、治療と仕事が両立できる環境の整備につながること、そして、私たちが暮らす日本社会が直面する課題に対する1つのソリューションとなることを期待しています。」
また、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ統括産業医の岡原伸太郎は、次のように述べています。「自分の疾患や障がいを第三者に伝えるのは決して容易なことではなく、時に一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、そのような時こそ誰かとつながることが重要であり、気軽に相談できる社内カルチャーの存在が鍵となります。『サステナブル・ワークスタイリング』は、そのような環境作りにおける上司の役割を再認識し、当事者と共に働き方を考え、サポートするための枠組みを提供します。今回のプロジェクト発足を機に、当社グループ内に留まらず、社会にも広く浸透を図っていきたいと考えます」
本プロジェクトは、今後、治療と仕事の両立を図ることのできる社会の実現を目指し、この取り組みを社外にも広げていく予定です。
調査概要
調査期間:2022年8月18日~9月2日
調査主体:Alliance for Diverse Abilities (ADA) アライアンス・フォー・ダイバース・アビリティーズ
ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループの従業員で構成されるEmployee Resource Groupの1つで、日本では2019年に発足。障がいの有無に関わらず、ともに働く社員が、それぞれの多様性を認め合い、活かしあうことで最高のパフォーマンスを発揮できる職場環境を形成することを目指し取り組みを行う。
回答:ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ 社員1,310人
方法:インターネット調査
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