• 健康的な生活
  • オーステッドがブルーボンドを発行する世界初のエネルギー企業に

  • 2023/06/24 0:00 公開  編集部
  • 6月8日の世界海洋デーに、オーステッドは償還期間5年、1億ユーロのブルーボンドを、IFCのブルーファイナンスのガイドラインに従って、私募形式で発行しました。これにより、オーステッドは、ブルーボンドを発行する世界初のエネルギー企業になりました。調達された資金は、生物多様性へのネットポジティブを2030年までに実現するというオーステッドのコミットメントに従い、海洋生物多様性への投資および持続可能な海上輸送への投資に割り当てられます。

     オーステッドは光栄にもブルーボンドを発行する世界初のエネルギー企業になりました(1億ユーロ、利率3.625%固定、2028年償還)。持続可能な海洋のためのファイナンス市場は海の健全性を守るために重要な役割を果たしており、ブルーボンドは当該市場の多様化と拡大をサポートします。ブルーボンドは、環境、経済、気候に好ましい影響をもたらす海に関する事業へ資金を呼び込むことを目的としています。

     オーステッドが立ち上げた債券で調達された資金は、特に、海洋生物多様性と持続可能な輸送を目的とした取り組みに使われます。海洋生物多様性においては、オーステッドは、海と海岸の生物多様性の保護および復元するための対策と、これを大規模で行うための新しくより優れた方法を見いだすためのイノベーションにさらに投資していきます。持続可能な輸送においては、グリーン海洋燃料の開発でリーダー的役割を担い、船舶の脱炭素化を実現することを目指しています。

     国連グローバル・コンパクト 国連事務局次長兼CEO、Sanda Ojiambo氏は、より持続可能な海洋経済を構築するために必要なソリューションを革新し拡大する上で、ブルーボンドが重要な役割を担っていると確信し、次のように述べています。

    「持続可能な海洋経済が繁栄すれば、気候や自然界の危機に取り組むために必要な多数のソリューションを手にいれることができます。自然界にポジティブな影響をもたらす海洋の再生可能エネルギーソリューションへの投資は、健全で回復力のあるエコシステムを確保するために必要な、自然とビジネスの調和した関係構築を促進します」

    彼女はさらに次のように加えています。「これらの海洋ベースのソリューションに大規模に投資し、SDG 14が定める目標を達成するためには、持続可能な海洋経済への投資を増やす必要があります。オーステッドなどの民間セクターによって発行されたブルーボンドは、世界が直面している幅広い環境および社会問題に取り組むプロジェクトにとって重要な資金供給を実現するツールです」

     

    再生可能エネルギーと生物多様性は地球上の生命の将来にとって極めて重要

    気候と生物多様性の危機が相互依存していることを認識し、オーステッドは、遅くとも2030年から稼働する全ての新しい再生可能エネルギープロジェクトでネットポジティブを実現するという目標を2021年に設定しました。

    オーステッドは、潜在するマイナスの影響の軽減だけでなく、海洋エコシステムの健全性を積極的に向上させる、より広範な復元策への投資も目指しています。取り組みはすでに本格化し、塩性湿地と海藻の復元、北海の非常に重要なエコシステムを復元するための3Dプリントされた岩礁、サンゴ礁を復元するための革新的なアプローチを試みる広範なパイロットプロジェクトで、最適なソリューションを調査・調整しています。

    「気候変動と自然の損失は密接に関係していますが、自然界と調和したグリーンエネルギーの大規模な発展によって、両方に取り組むことができます。オーステッドは再生可能なエネルギープロジェクトを活用して自然を再生させることを決意し、具体的なアクションとプロジェクトに着手しています。アクションに必要な規模と速度を達成するには、投資家との新たな協力関係が非常に重要です。そして、社外でも人々が同様に生物多様性の活動に取り組むきっかけになればと願っています」と、オーステッドシニアヴァイスプレジデント兼グローバルステークホルダーリレーションのリーダー、Ingrid Reumertは述べています。

     

    ブルーボンドは持続可能な海洋アクションの財務面のギャップを埋める

    近年、グリーンボンド市場は急成長を遂げ、発行総額は2兆ドルを上回っています。同様に、ブルーボンドは堅調な市場の成長を示すと予測されています。オーステッドは、持続可能なグリーンファイナンスにおける豊富な実績に基づき、現在、ブルーボンドファイナンスを通じてさらに貢献する方法を積極的に探っています。

    「オーステッドは、持続可能な海洋アクションが多額の資金を必要としている現況を目の当たりにしており、業界のパイオニアとして、ブルーボンドの導入は最適な時期であると確信しています。投資戦略を持続可能性目標に沿わせる機会を認識し、ポートフォリオを多様化して、成長セクターをうまく活用し、海洋資源の保護へのプラスの影響を支援する投資家からの強い関心が集まっています」と、オーステッド CFO Daniel Lerupは述べています。

    オーステッドのブルーボンドはNatWest Markets N.V.によって手配され、主要投資家のAPG(ABPの代理)を含む複数の投資家によって購入されました。

     

    APGの資産管理の最大顧客であるABP 会長、Harmen van Wijnen氏は、オーステッドによる初の海洋生物の復元と保護のためのブルーボンドへの投資を通じた貢献について、次のように述べています。 

    「オーステッドの初のブルーボンドにおいて最大の礎を担う投資家であることを誇りに思います。洋上風力発電所の建設を含め、海での人間活動のマイナスの影響を最小限に抑える革新的なソリューションの導入と広範な応用は、パリ協定の気候変動目標を達成すると同時に、生物多様性の危機に取り組むために不可欠です。この投資は、生態学的なプラスの影響とそのリスクの両方に関して優れた機会であり、受益者には見返りがあると強く確信しています」

新着